二酸化塩素発生体「キャッチクリン」は、お部屋をウイルスや細菌、カビおよび悪臭から守る製品です。
「キャッチクリン」は安全に使用できるよう設計された分量およびパッケージにより、安心してご利用いただける製品となっております。
二酸化塩素の効果・安全性(あるいは毒性評価)については企業・公的機関等での様々なデータが公表されています。「キャッチクリン」の原料製造メーカーのパスタライズ社で実施した試験結果の一部を掲載します。
※(財)日本食品分析センター 試験報告書 第NA66070378号 (平成5年8月23日)につきましては、他社ホームページ等で「二酸化塩素の殺菌効果データ」として掲載されておりますが、正しくは商品名:「パスタクリーン」(パスタライズ社))での試験データであり、その商品の試験データではありません。
※「二酸化塩素」含有と記載しながら二酸化塩素の発生が認められない商品が流通しております。
「キャッチクリン」はパスタライズ社製の二酸化塩素を原料としています。
E.coli 大腸菌 |
S.aureus セレウス菌 |
MRSA | B.subtills 枯草菌 |
A.niger 黒麹カビ |
|
無水エタノール | 500,000 | 500,000 | 500,000 | >500,000 | >500,000 |
塩化ベンザルコニウム | 100 | 10 | 100 | 1,000 | 10,000 |
次亜塩素酸ナトリウム | 10 | 10 | 10 | >1,000 | 1,000 |
二酸化塩素 | 1 | 1 | 1 | 100 | 10 |
二酸化塩素は、その安全性の高さが誇大に広告されることがありますが、殺菌性能
(Ct値が低い)があるものに(天然物を含めて)全く無毒の物質はありません。濃度等の条件によって毒性が発現します。毒性学の祖といわれるParaculsusが「全ての物質が有毒であり、有毒でない物質はない。ただ有毒でない使い方があるだけである」と述べている通り、安心して使用できる量・使用方法を見極めることが安全性評価の本質です。
二酸化塩素、亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸ナトリウム、塩素、オゾンの物理化学的性質、毒性評価(毒性症状、急性毒性、発癌性、水生生物に対する影響)、法規制、許容濃度、管理手法などに関して比較しました。
二酸化塩素は塩素原子を分子中に含む消毒剤ですが、汎用されている遊離塩素および、次亜塩素酸塩とは水に溶けた時の反応は異なり、水中の有機物と反応して有害な有機塩素化合物を生成する可能性が少ないことから、塩素剤に代わる薬品として注目されてきました。したがって、比較の対照として次亜塩素酸ナトリウムを取り上げることが多くなります。
以下の長所・短所の記述は純粋二酸化塩素水溶液またはそのガスに対して適用されるものであって、安定化二酸化塩素には適用できません。
参考文献 金子光美 編著、水質衛生学、技報堂出版
二酸化塩素ガスは他の気体と比べて水に良く溶け、常温で2.9g/L、冷温では10g/L以上の濃度になります。
常温で水に溶解している二酸化塩素水溶液では、直近の空気中の二酸化塩素濃度が10%を超えることは考えにくく爆発の危険性はないと考えられます。また、水溶液を煮沸させても危険性はありません。
ガス態のものは-40℃以上の温度で、ガス中に10%以上になると爆発性が生じ、14%以上になると僅かな電気スパークでも爆発する不安定なガスであるといわれます。
爆発の危険性は加圧して液化したものに対しても同様で、爆発の程度は水素・酸素混合物のそれに匹敵します。
二酸化塩素分子は不対電子をもつラジカルとして存在します。従って、非常に不安定ですが、反面非常に反応性に富み、殺菌効果に優れる所以となっています。二酸化塩素水溶液は冷暗所に密栓して保存すれば分解の程度は小さいです。(揮散を避け暗所に保存すれば数ヶ月は力価はほとんど変化しない)一方、光によって急速に分解する性質は、排水の消毒においては有利に働きます(中和処理が楽で、場合によっては薬剤添加が必要ない)。
配水管網での残留性は塩素よりよく、水道における消毒効果の残留性を塩素より低濃度で発揮します。
ガス態および溶液中の二酸化塩素は紫外線によって容易に分解します。光分解の程度は時間と紫外線強度に依存し、分解して塩素酸と塩酸になるといわれています。水溶液は揮散性があり、開放容器では容易に力価が低下します。
誤って液剤をこぼした場合、消毒剤として汎用される次亜塩素酸ナトリウム溶液はいわゆる塩素臭が長期間残留しますが、二酸化塩素水溶液は、物質自体が常温でガスであることと、反応性に富むこと、光分解することから、比較的短時間で臭気はおさまります。
塩素に似た不快臭があり、空気中14~17ppmで感知されます。(経験上0.1ppmでも判別可能です)1mg/L水中濃度は、直近の空気中に10mg/Lの濃度をもたらすといわれます。経験的には水溶液濃度で100mg/Lの濃度以上では強く二酸化塩素臭を感じ、特に600mg/L以上では取扱い時にマスクの着用が必要です(ハロゲンガス用の吸収缶を装備した目と呼吸器を覆うもの)。
高濃度の二酸化塩素水溶液の揮発性ガスを吸入するとひどく咳き込みます。また、低濃度ガスであっても、咳、頭痛、目がチカチカする、気分が悪くなるなどの急性症状がありますが、数時間以内にはほぼ回復します。
有効塩素化合物は加水分解して次亜塩素酸(HOCl)を生成する化学種をいい、二酸化塩素は有効塩素化合物ではないが、塩素当りの酸化力で比較すると最大の酸化力で、塩素の2.63倍です
次亜塩素酸ナトリウムと同様に金属に対する腐食性があります。経験的には100mg/L以下、特に数mg/Lでは著しく金属を侵すことはありません。
1.低濃度で効果があり、耐性菌が出来難い
詳細なメカニズムは解明されていませんが、タンパク質に吸着されやすく、細胞のタンパク質あるいはウイルスのタンパク質のコートに吸着し、濃縮した形になって低濃度でも効果を持つと推測されています。この様な作用機構から、耐性菌を出現させ難いといわれています。
塩素と比較して、Ct値(薬剤濃度×接触時間)でみると、1桁弱あるいは1/2ほど小さくなる程度、消毒力が強いです。
2.遊離塩素耐性菌に対する効果
一例では、遊離塩素に対して強い抵抗性を示す Giardia に対して不活化効果があります。
3.pHに左右されにくい
塩素ほどpHの影響を受けず、pHが高くなるほど消毒力が増します(過剰なアルカリは、二酸化塩素の分解を加速するので不利になる)。即ち、pH6~10の範囲で塩素ほど影響を受けず、高pHで有利であるといわれます。
4.アンモニアと反応しない
水中の被酸化物質とは迅速に反応するがアンモニアとは反応しません。従って、アンモニアと反応する遊離塩素と比較してアンモニアが存在する水に対して二酸化塩素は有利です。 (塩素剤はアンモニアと反応してクロラミンを生成し、このクロラミンの殺菌力は次亜塩素酸と比べてはるかに小さい為、多量の次亜塩素酸ナトリウムを投入しなければ効果が得られなくなります。)
5.ウイルスに対する効果
クロラミン(有利塩素が窒素化合物と反応して生成する化学種)と比較すると二酸化塩素は数段ウイルスの不活化効果があり、従って窒素化合物の多い水中では塩素処理より有利であるといわれます。
6.バイオフィルムの破壊、浸透性
二酸化塩素は塩素剤と比較して低濃度でバイオフィルムを分解し、あるいはバイオフィルムの内部に浸透してフィルム内の微生物を不活化する能力が高いといわれます。この性質を利用して循環式浴槽の配管除菌、クーリングタワーの除菌に使用されます。
1.pHが低い場合
きれいな水でpHが低い場合、塩素の方がむしろ有利な場合があります。
2.還元性無機物の存在
水中の有機物、鉄、マンガン、硫化物の様な還元性無機物が存在すると、これらが二酸化塩素を消費するので消毒力が弱まります。
3.低温で効果が落ちる
二酸化塩素の消毒効果は5℃以下で極端に低下するといわれます。
二酸化塩素の使用の有利性が引き出せることが使用の条件となります。
一般に塩素処理より高価です。薬品代は塩素より2~5倍ほど高くなります。
塩素は発癌性のあるトリハロメタンを生成しますが、二酸化塩素はその心配がないといわれます。逆にトリハロメタンの前駆物質の一部を分解するといわれています。
二酸化塩素の分解生成物のうち、最も低濃度で問題になるのが亜塩素酸塩で、メトヘモグロビン血症、溶血性貧血症の原因となります。
条件により異なりますが、水中で分解した二酸化塩素は50%が亜塩素酸イオン、25%が塩素酸イオン、25%が塩素イオンとなります。
二酸化塩素による悪臭物質との反応は、硫化水素、硫化メチル、フェノール、メチルメルカブタン、トリメチルアミンとの反応よく知られていて、悪臭を分解除去することができます。消臭機構としては酸化分解です。
同じCV値を得るための濃度で比較すると、実用範囲では金属腐食性は次亜塩素酸ソーダほど強くないといわれています。
1000mg/Lを超えるような高濃度では、次亜塩素酸ソーダと同様に金属腐食性があり、樹脂製品の劣化をもたらします。ガラスは何れも全く侵しません。
反応が速いので消毒槽容積を小さく出来ます。
ルーチン的な評価のための分析技術が塩素の場合ほど簡単ではありません。この点が、塩素に比べて普及しにくい障害となっています。
しかし、近年はDPD法による簡易測定器が入手可能で、遊離塩素をブロックして二酸化塩素濃度を高い精度で現場において測定可能です。また、連続して測定できる機器(隔膜電極法)も販売されています。